Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
東洋や南洋となると、マレイで雄鶏アヤム・ジャンタン、雌鶏アヤム・ベチナ、サモアで雄鶏モア・タンガタ、雌鶏モア・ファフィネなどはわがオンドリ、メンドリに似居るが、オニワトリ、メニワトリといわぬを見ると、英語のファウルと等しく、昔は鶏を本邦で単にトリといったものか。鳥の音といえば専ら鶏声を指し居る。鶏の名ヘブリウでウーフ、ヒンズスタンでムルギ、タシルでケリ、ジャワでピテク、モレラ等でマヌ、カジェリでテフイなど何に基づいたのか予に分らぬ。
英語に鶏から出た詞が多い。例せば雄鶏が勝気充溢して闘いに掛かるごとく、十分に確信するをコック・シュア、妻に口入れされて閉口するを、雌鶏に制せらるる雄鶏に比べてヘンペックト。それからコケットリー、これは昔は男女ともに言ったが、今は専ら女のめかし歩くを指し、もと雄鶏が雌鶏にほれられたさに威張って闊歩するに基づく。コケットといえば以前は女たらしの男をも呼んだが今は専ら男たらしの女を指す。それからコックス・コーム(鶏冠)はきざにしゃれる奴の蔑称で雄鶏が冠を聳てて威張り歩くに象ったものだ。また力み返って歩むを指す動詞にも雄鶏の名そのままコックというのがある。