Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
識者の高教を仰ぐ。
右に引いた『韓詩外伝』の文で分る通り、鶏の五徳は雄鶏に限った事で、牝鶏に至っては古来支那で面白からぬ噂あり。牝鶏の晨するを女が威強くなる兆として太く忌んだが、近頃かの邦の女権なかなか盛んな様子故、牝鶏が時作っても怪しまれぬだろう。英国でも女に制せらるる骨なし男をヘン・ベックト、牝鶏に啄かるるという。グベルナチスいわく、イタリア、ドイツおよびロシアに広く信ぜらるるは牝鶏が牡鶏同然に鳴く時は大凶兆たり。これを聞いた者自分の死を欲せずんば即座にこれを殺すべしと。ペルシャでは牡鶏よく悪鬼を殺すとて墓所にこれを放ち飼いにす。ただし牝鶏の晨するを忌む。論士サッダーこれを駁して牝鶏の晨するものは牡鶏同様魔を殺すの功あろうから殺すべからずと言うた。シシリーではかかる牝鶏は売りも餽りもせず、主婦が食うべしという由。熊楠案ずるにスエーデンで同心結(コンヌビァル・ノット)を結ぶ内、新婦が婿より前に進みまたわざとらしからぬように手巾を落すと婿が拾ってくれる。かくすると一生嬶旦那で暮し得と信ず(ロイドの『瑞典小農生活』八六頁)。それと同流の心得で、晨する牝鶏を食えば主婦が亭主を尻に敷き続け得と信じたのだ。