Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
支那の検屍法などにも西人の想いも付かなんだ事多く、予在欧の昔すら『洗冤録』などを訳させて験し居る者があった。わが邦でも笑うて過さずにその当否を試験せば、近日聒ましい父子血合せの法くらいは西人に先鞭を付けられずに済むだろう。たとえば万治二年中川喜雲著『私可多咄』五に『棠陰比事』を引いて、呉の張挙訟えを聞くに、夫を殺し家を焼き、妾夫火事で焼け死んだという妻の言を夫の親類受け付けず。挙豕を二疋取り寄せ、一を殺し他は生きながら薪を積んで焼いて見れば、殺して焼いたは口中に灰なく、生きながら焼いたのは、灰、口を埋めいた。さて、かの夫の口中を見れば少しも灰なかったから、夫を殺して後火を掛けたと、豕と比較して見せたので女争わず服罪したとあるごときも、支那人の気の付けようは格別と思われる。応挙が画くごとにその物に経験厚い人の説を聞いたはもっともだ。
橋本経亮の『橘窓自語』に「長常という彫物師は類なき上手なり、円山主水応挙も絵の上手なりしが、智恩院宮諸太夫樫田阿波守という人長常に小柄を彫りてよ、応挙の下絵を書かせんと誂えければ長常諾いたり。因って阿波守応挙に云々といいければ速やかに下絵を画いて送りしかば、阿波守長常の方に持ち至りて下絵を与えければ、長常この下絵にては得彫らじといいたり。