Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
不心得千万なようだが、都市は知らずこの鼠駆りに少しも違わぬ遣り方が日本で現に地方に行われおり、たとえば警察で手におえぬ代物が田辺町へ滞在すると警官がその者を捉えて町から定規の里程外へ送り出す。するとその者はまたそこで悪事をなし、そこからまた警官がよい加減に次へ次へと送り出す。それ故寒村僻里を流浪さえすれば悪事のやり次第という風で、その所の者は毎度迷惑絶えず、実に昭代の瑕瑾じゃ。フレザーまたいわく、あるいは害物の一、二に恩を施し他は一切手厳しく扱う事もある。東インド諸島の一なるバリ島では、田を害する鼠を多く捕えて焼き殺し、ただ二疋を宥命して白布の袋に餌を入れて与え、百姓一同神のごとく拝んだ後放ち去る。ボヘミヤの某所では、百姓が通常の鼠を釈さず殺せど白鼠を見付くれば殺さず、窓に巣を作ってこれを畜う。それが死ねばその家の福尽き常の鼠が殖えるそうだ。シリア人の畑が毛虫に犯さるれば、素女を聚めてその内の一人を毛虫の母と定め、毛虫多い処へ伴れ行きて毛虫がここを去るから御気の毒ですと悔みを述ぶ。露国では、九月一日に蕪等諸菜で小さい棺を製し、蠅などの悪虫を入れ悲歎の体して埋めると。