Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
の説もしかと事実に基づいたものと知った。
フンボルトの『回帰線内亜米利加旅行自談』に、所により鰐や鮫が人を犯すと犯さざるの異なる由を述べ、猴も同様でオリノコやアマゾン河辺のインデアン人は、同一種の猴ながらある島に住むはよく人に懐き馴れるが、その近所の大陸に住む奴は捕えらるるや否や、甚だしく怖れまた嗔ってたちまち死するを熟知する故、猿取りに無駄骨を折らぬ。どうも地勢が違うばかりでかように性質が異なると説き去りがたいとあるが、定めて食物とか物の乾湿とか雑多の原因がある事と惟わる。したがってわが邦の猴舞わしが、四国猴は芸を仕込むに良いの、熊野猴は生まれ付きが荒いのというも年来の経験で根拠ある説らしい。
『連珠合璧』上に猿とあらば梢をつたうとあり、俗諺にも猴も木から落ちるというて、どの猴も必ず楽に木を伝い得るよう心得た人が多い。しかしワリスの『巫来群島記』(一八八三年板、一三三頁)に、スマトラに多い体長く痩せ、尾甚だ長いセムノビテクス属の猴二種は、随分大胆で土人を糸瓜とも念わず、しかるに予が近づき瞰めると一、二分間予を凝視した後逃げ去るのが面白い。一樹の枝より少し低い他の樹の枝へ飛び下るに、一の大将分の奴が無造作に飛ぶを見て他の輩が多少慄きながら随い飛べど、最後の一、二疋は他の輩の影見えぬまで決心が出来ず、今は全く