Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
されば仏経にしばしば猴を愚物とし、『百喩経』下に猴大人に打たれ奈何ともする能わずかえって小児を怨むとあり。また猴が一粒の豆を落せるを拾わんとてことごとく手中の豆を捨て鶏鴨に食われた話を出す。猴は毎々そうするか否を知らぬが、予かつて庭に遊ぶ蟹に一片の香の物を投ぐると走り寄りて右の螫でこれを執る。また一片を投ぐると左の螫で執る。更に一片を投ぐると右の手に持てるを捨ててこれを執り、今一つ投ぐると左手に挟んだのを捨てて新来の一片を執る。幾度も投げ与うるに毎度かくのごとくし、ついに最後の二片を持ちて穴に入ったそのまままた出て前来の諸片を採らず、全く忘れしまったようだった。最後の二片で満足するほどなら幾度も拾い換えるに及ばぬというところに気付かぬは蟹根性とでも名づくべきか。だが世間にこんな根性の人が少なくない。『僧祇律』に群猴月影水に映るを見、月今井に落ちた、世界に月なしとは大変だ助けにゃならぬと評定して、その一疋が樹の枝を捉え、次々の猴が各他の猴の尾を執りて連なり下る重みで枝折れ猴ども一同水に陥った。天神これを見て「なべて世の愚者が衆愚を導びかば、井戸の月救う猴のごと滅ぶ」