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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

足にまつわる草や蔓には、露があって脚絆を冷たく濡らした。

かなり歩いたと思った時、行く手の灌木の向こうから、若い男女の話し声が聞こえた。

「ね、いいじゃアありませんか。……いつまで待てとおっしゃるのでしょう。……」

「いいえ、いけませんの、どうぞ勘忍して。……妾、辛いのでございますわ。……だって、叔父様が……ね、ですから……」

「叔父様が何んです! そんなもの! ……ああ私はどうしたらいいのだ! ……もう待てないのです、とても私には! ……若さだって過ぎてしまいます! ……逃げましょう、いっそ、ね、二人で! ……」

(ははあ)と貝十郎は微笑した。(野の媾曳っていうやつだな。度を越すと野合という奴になる。……)

「三保子!」と突然荒々しい、男の声が聞こえて来た。「何をしている。家へ帰れ!」

「あれ、叔父様、まあどうしよう! ……鏡太郎さん早く逃げて!」

鏡太郎の逃げる足音が聞こえた。

(やれやれ)と貝十郎は苦笑をした。(叔父さんという奴は大概の場合、粋な人間に出来ているものだが、ここの叔父様は逆だったわい。待て待て、三保子と呼んだようだった。では女はお三保なのか、とすると叔父と云うのは後見をしている、隼二郎という男だな。