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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

そうしてソロソロと歩き出した。何んの変わったこともない。と彼女は脱衣場へ上がり、あたりを見廻して佇んだ。

派手な模様の白地の振り袖、赤地の友禅の単帯、身長が高く肉附きがよく、それでいて形の整った体へ、垢抜けた様子にまとっている。そういう姿を衆人に見せて、彼女は佇んでいるのであった。またも彼女はかがみ込み、やがて立ち上がって脱衣場を下りた。何んの変わったこともない。

しかし程経て潮湯治客達は、あっちでもこっちでも騒ぎ出した。

「おや財布を盗まれたぞ」

「俺も印籠を盗まれた」

「掏摸が入り込んでいるらしい」

「どこにいる、捕えろ、叩きのめせ」

しかし彼らは例の娘が、犯人であろうとは気がつかなかった。が、たった一人だけ、気がついている者があった。ずっと向こうを彷徨っている、例の娘を見やったが、

「あのお方はあんな大きな仕事を、懸命に計画していられるのに、あいつはそれに参画していながら、あんなちっぽけな小泥棒を、こんな所でやろうとは。……親の心児知らずというやつだな。大きな計画の方へ眼をつけている俺だ、ああいう小仕事は見遁がして置こう」

その人物は呟いた。

潮湯治客を目当てにして、浜の幾所かに出している茶屋の、その一軒の牀几に腰かけ、茶を呑んでいた武士であって、編笠を冠っているところから、その容貌は判らなかったが、黒絽の