Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
浪人達は飲んでいるのである。一晩飲み明かすに相違ない。
私達は丘を下りた。それから街道を左へ曲がり、さらに左へ空地を横切った。月見草の花が咲いていて、早生まれの松虫が鳴いていた。少し行くと松林であり、松林の中に家があった。みよし屋の賃貸しの寮なのである。寮には灯火が点いていなかった。が、人声は聞こえていた。
「館林様なんかいいかげんなものさ」不意に声高に云う者があった。「甘いお方さ、大甘者さ!」
館林様は足を止めた。すぐに我輩は館林様へ云った。
「あなた様のお噂をしております。つまらない手合でございましょう、お気にかけてはいけません。さあさあ先へ参りましょう」
しかし館林様は動かなかった。と、別の声が聞こえて来た。
「要するにあのお方は人形なのさ。看板と云ってもいいかもしれない。俺らを使っているなどと、あのお方は思っていられるようだが、その実あのお方こそ俺達六人に、あやつられておいでなさるんだからなあ」
「そうとも」と別の声がした。「あのお方が俺達を贔屓にしている、――と云うことが知れているので、俺ら相当悪事をしても、お官では目こぼし手加減をしてくれる」