Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
今や日英同盟軍とセリ・インデアンとの戦いはまさに白熱の最中にあったが、いかに土人が勇敢であってもとうてい日本武士には及ぶべくもなく次第次第に敗け色になった。
土人酋長オンコッコは早くも味方の負け色を見ると、逃げ出すことに覚悟を決めたが、みすみすホーキン氏とジョン少年とを、奪いかえされるのが残念と思ったか、刀を握って走り寄り二人の傍へ近寄るや否や杭へ繋いだ縄を切り二人へ刀を突き附け、社殿の中へ連れ込もうとした。
しかるにこの時思いもよらず裏切り者が現われた。他でもない祭司のバタチカンで、彼は最初にジョン少年が仲間の土人に捕らえられ殺されようとした時に、命乞いをして助けて以来、ジョン少年が可愛くてたまらず、杭に繋がれたその時からどうぞして助けようと思っていたところ、今その機会がやって来たので、隠れていた社殿の扉を押し開き脱兎のように走り出て、オンコッコの側へ近寄るや否ややにわにジョンを横抱きにして林の中へ逃げ込んだ。
あっと驚いたオンコッコは、
「裏切り者だ! 謀反人だ! 早く早くバタチカンを捉らえろ!」
大声を上げて叫んだが、戦い最中のことではあり、誰とて耳に止めるものはない。