Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

「私は東方の君子国日本という国の侍じゃ。恐ろしいということを知らぬ者じゃ」紋太夫はカラカラと笑い、「一旦行くと云ったからはどうでも一度は行かねばならぬ。これが武士の作法なのじゃ。巫女殿まことに申しかねるが、一日分の食糧と松火とを頂戴出来まいかな」

「どうでもおいでなされますか」

「活き剣を手に入れてきっと帰って参りまするぞ」

そこで松火と食物とを巫女の手から貰い受け、紋太夫は元気よく出立した。

ものの十町と行かないうちに無数の枝道が現われた。

「奇数、偶数、奇数、偶数、こう辿ればいいのだな。一は奇数だ、云うまでもなくな。……一の道を行ってやろう」

一番手近の枝道を彼はズンズン進んで行った。とまた無数の枝道へ出た。今度は手近から二番目の道を――偶数の道を進んで行った。奇数、偶数、奇数、偶数、これを繰り返し繰り返し紋太夫は先へ進むのである。

行く手は暗々たる闇であったが手に松火を持っているので道を間違える心配はない。

半刻余りも歩いた頃、遙か行く手の闇を染めて薔薇色の光が射して来た。

「ははあ、何者かいるらしい。いずれ悪者の仲間であろう」

呟きながら紋太夫は足早にそっちへ進んで行った。