Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
「人民のため国家のため、それでは壺皇子を捧げる事にしよう」
王は悲しくは思いながらも継母の甘言に心迷い壺皇子を犠牲にすることにした。
祭壇が築かれ薪木が積まれ犠牲を焚く日がやって来た。八歳の壺皇子がそれとは知らず嬉々として祭壇へ上った時火が薪木へ掛けられた。しかし神は非礼を受けず忽ち奇蹟を現わされた。忽然巨大な一振りの剣が雲の中から現われ出たが、まず継母の首を斬り、次いで壺皇子を束へ乗せ、どことも知れず翔け去ったのである。
剣は皇子を乗せたままチブロン島まで翔けて来たが、そこで一旦地上へ下り、さらに虚空を斜めに飛び窟の中へ飛び込んだ。
この神秘境へ来たのである。
活ける剣は窟の中で壺皇子を人知れず養育した。皇子の寂寥を慰めるために人界から人間を連れて来た。その人間は次第に殖え、ここに部落を形成った。
そこで壺皇子はその部落の帝王として君臨した。
部落は平和に富み栄え、壺皇子は数百年活き延びたが、天寿終って崩御するや、人民達はその死骸を林の中へ埋葬し神に祀って壺神様と云った。御神体は活ける剣である。
その後部落は一盛一衰、幾多変遷はあったものの、今に及んで絶えることなく、不思議な国家として存在した。