Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
「一本足の烏! 一本足の烏!」
ジョンは飛び上がって叫び出した。見ればいかにもその烏は、一本の足しか持っていない。
「ああ本当に一本足だ!」
日出夫も驚いて飛び上がった。
と、烏は悠々とこの時岩から舞い上がったが、一つの大きな円を描き、それからいかににも緩やかに海の方へ翔け出した。
「ジョン君、僕は信じるよ! 君の話した伝説をね! さあアノ烏を追っ駈けよう!」
そこで日出夫とジョン少年とは、纜いであった小舟に乗り、海上遙かに漕ぎ出した。
風もない夏の海は、蒼く平らにトロリと澄んで、魚の影さえ透いて見える。
烏は二人を誘うかのように、時々こっちを振り返って見ては悠々翼を羽摶いた。そうして千切れるように時々啼いた。
烏と舟とは空と海とで永い間競争した。二時間の余も競争した。
その時、舟の行く手に当たって、例の浮き岩が見えて来た。
「日出夫君、日出夫君、浮き岩だよ」
ジョン少年は注意した。
「ああ本当に浮き岩だね」
日出夫は櫂の手を止めた。
二つの浮き岩は唸りながら、互いに相手を憎むかのように、力任せに衝突り合っていた。飛び散る泡沫は霧を作り、その霧の面へ虹が立ち、その虹の端の一方は、陸地の断崖に懸かっていた。