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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

「女が発狂する筈でござる」

「この驢馬仮面に至っては、いっそう殺生な器具でござる」もう一人の侍がそういうように云って、四角の木箱を胸の辺で揺すった。

「これでは女が発狂する筈で」

「我々の役目も厭な役目で」前の侍がさらに云った。「着けたり冠せたりしなければならない」

「お品という女、美しいそうで」

「が、明日は狂女となって、醜くなってしまいましょうよ」

云い云い二人の小姓らしい侍は、廻廊の方へ歩いて行った。が、蘇鉄の大株があり、それが月光を遮っている、そういう地点までやって来た時、突然ワッという声を上げ、一人の侍が地に仆れた。

「これどうなされた? 粗忽千万な」

後の侍が驚きながら、仆れて動かない同僚の側へ、腰をかがめて立ち止まった。

と、その侍もウーンと唸って、持っていた四角の木箱を落とすと、両手を宙へ伸ばしたが、そのまま仆れて動かなくなった。と、蘇鉄の株の蔭から、抜き身をひっさげた新八郎が、スルスルと現われて二人の横へ立った。

「小糸氏、お切りなされたので?」

蘇鉄の蔭から貝十郎が訊いた。

「峯打ちに急所をひっ叩いたまででござる」云い云い新八郎は抜き身を鞘に納め、二つの木箱を地上から拾った。