Japanische Klassiker mit Furigana
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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし
十二神貝十郎手柄話
国枝 史郎
Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme
こう云ったのは、六部姿をした、火柱の夜叉丸その者であった。
「酒の代わりにあれなんだからなあ」
こう云ったのは破落戸に扮した、稲葉小僧新助であり、
「献上箱の中の人形が、飛んだ爺の人形なんだからなあ」
こう云ったのは紫紐丹左衛門で、武骨な侍の姿をしていた。
「それより人形の持っている、あの書物を田沼が見た時、どんなに恐れおののくことか、それを私は知りたいような気がする」館林様はこう云いながら、盃を含んで微笑した。「田沼退治はこれからだ。次々に彼奴を怯かさなければならない。……だんだんに彼奴の罪悪を、彼奴と世間とへ暴露しなければならない。……暴露戦術というやつがある。大金持ちや権謀術数で、権勢を握っている為政者などを、亡ぼしたり改心させたりするには、一番恰好の戦術だ。一方では心胆を寒がらせ、一方では世間の正しい批評を、仰がせることに役立つのだからだ」
田沼家へ行った『ままごと』の中には、何がはいっていたのであろうか?
要するにむさい物であって、飲めも食べも出来ないものであった。では、献上箱にはいっていた物は? 田沼主殿頭その人を、さながらに作った人形であって、しかもその胸には短刀が刺してあり、手には斬奸状が持たされてあった。