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Japanische Klassiker mit Furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lesen Sie 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.035 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

父は生前は長崎あたりの、相当名を知られた海産問屋で、支那や和蘭とも貿易をし、盛大にやった身分であった。――などとお蝶は話したりした。しかしお蝶は身の上については、多く語ろうとはしなかった。隠すというのではなかったが、目下の生活が華やかでない、それだのに過去の華やかであった生活を、今さらになって話すのは、面はゆくもあれば笑止でもあると、そんなに思う心から、語らないというような態度を見せた。そういう態度が京一郎には、床しく思われてならなかった。

表構えは粋であり、目立たぬ様子に作られてあったが、家の内は随分豪奢であり、それに調度だの器具だのが、日本産というより異国産らしい、舶来の品で飾られてあり、お蝶の締めている帯なども、和蘭模様に刺繍されてある――そういう点などがお蝶という女の、父だという人の身分や生活を――昔の身分や生活を、それらしいものに想像させた。

「風変わりの楽器でございましょうが……」

こう云ってお蝶は手を伸ばして、床の間に置いてある異風の楽器を、取りよせてそっと膝の上へ据えた。胴が扁平で三角形で、幾筋かの絃で張られていた。

「象牙の爪で弾くのですけれど……」