Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうはちじょうおつ
十八条乙
山本 周五郎
Lesen Sie 十八条乙 (じゅうはちじょうおつ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.127 Zeichen · 26 Bildschirme
六
届けによって大目付から、与力が下役人と医師を伴れて来た。医師は「衝心」と診断した。悪性の脚気によくあることで、これは脚気ではないが心臓に故障がおこり、衝心のため急死したのだと云った。
母の実家である渡井と、安田家とに通知をすることはしたが、弔問は許されず、通夜をした翌日の昏れがたには、葬式を出さなければならなかった。これも寺までゆけたのはあやと下僕の二人で、庄兵衛は門の中から見送っただけであった。――母の急死がよほどこたえたのであろう、庄兵衛は人が変ったように温和しく、穏やかになった。彼は生臭物を断ち、朝と夕方には仏壇に向って、半刻あまりも供養をし、殆んどの時間を読書によってすごした。
こうして五年という月日が経った。
六
伊原友三郎が事を起こしてから六年めに当る、享保十九年二月に、下総守詮芳が帰国して重職の交代を命じ、藩庁の内外に思いきった粛清をおこなった。城代家老の佐野が家禄没収のうえ一家追放になったのをはじめ、重臣二人が閉門、その他十余人が重科に問われ、軽い咎めや役替えぐらいで済んだ者は、およそ二十余人に及んだ。これは二十年以上もまえ、この藩にあった「壱岐どの騒動」