Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうがつのぶんげいじひょう
十月の文芸時評
宮本 百合子
Lesen Sie 十月の文芸時評 (じゅうがつのぶんげいじひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.740 Zeichen · 16 Bildschirme
『ここが山か』と案外その見せ場や山が大したものでないのにガッカリしている」だが「こんなことは何気なく成行にまかせながら、自分は始終きびしい一心で自分を律していればいいのだわ」と、気をとり直すのである。しかし作者は計らずもここに到って一つの大きい輪を描いて、自身がすでにその作品の前半で呈出している批判の中へ舞い降りてしまった。一定の自戒をもち、それを守ることそのものを生活の目的のようにして生きている梅雄に友人団が「ただ君の情熱は中ぶらりんで方向がないね」といい、作者はその評言の社会的な正当性を認めている。丁度その評言の真只中に全篇の終りは曲線を描いて陥りこんでしまっているのである。
残された一つの疑問
「習俗記」(芹沢光治良・改造)「葉山汲子」(舟橋聖一)「新しき塩」(荒木巍・中央公論)「未練」(宇野千代・同)「空白」(立野信之)そのほかいくつかの小説をこの数日の間に読んだのであるが、結局私の心にはその一作一作についての感想を語る興味が生ぜず、むしろ総括的な一つの疑問がのこされた。何故なら、以上の諸作品が、それぞれの作家にとって自信あるものでないことは誰の読後感においても明らかなことであるから。