Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちよこ(に)
千世子(二)
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子(二) (ちよこ(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.249 Zeichen · 31 Bildschirme
何かを抱えて居るらしい人だと云う感じがその時に限ってふだんの倍も倍も強く千世子の頭に湧き上った。
淋しい影の裡に喜びのこもって居るらしい、黒の裡に紅の模様のある、おぼろ月の夜の影坊子の様な人だと千世子は先から思って居たのだ。
近づき難くて近づき易いと云う事が肇の大変徳な性質になって会う人毎に自分を高く保つ事が何の苦もなく出来る事だった。
自分が男だもんで着物の色彩からうける快さ又一種の喜びなんかと云うものは到底味わわれない。
強いて目立つ色の着物でゾロットする事などは学者肌とも云う様な肇の出来る事ではない。
色彩と云うものに対しての気持は一人前以上に強いのだ。
などと云うと千世子は短っかく「ザンギリ」にした頭をまるむきに出して青っぽい袴と黒か白位の着物をノコッと着た肇を見てつくづく気の毒な様な気持がした。
この頃の若い女の人は随分飛び飛びな種々な色を身につける。
髪に新ダイヤが輝いて赤い「ツマミ細工」のものなんかも一緒に居る。
それでも夏はそれほどひどくは気にならないけれど冬羽織着物、下着、半衿とあんまり違う色を用うのは千世子は好いて居なかった。