Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子 (ちよこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 83.104 Zeichen · 164 Bildschirme
「そう、いずれ何々めしなんてこんな家並にする様になっちゃあ素人が作ったのより不美味いものになっちまうんですよ、デモ若し御給仕に来た女が自分の気に入ったら我慢するかも知れませんワ」
千世子は遊びぬいた男が云う様な事を云った。源さんはそっぽを向きHは千世子のえりっ首を見ながら笑って居た。
「私もうこんなところに居ずとようござんすワ、妙華園に行きましょうネ、近いから、いや?」
一番奥の茶屋の赤い毛布の上に腰を下すとすぐ我ままらしく云い出した。渋いお茶をのんで居たHは、
「もういやになった? 行ってもいいけど、源さん君は?
いいでしょうつき合っても……」
羊かんをたべて居るのにかずけて源さんは合点したっきりだった。
「じゃそうしましょう、でも千世子さん歩ける?」
「歩けまいと思えば誰が云い出しなんかするもんですか、キット歩きます、どんな事になっても……」
「自分は歩くつもりだって足が云う事をきかなくなったら困るじゃありませんか」
「歩かして見てから云って良い事ってすワ、早すぎます、今っから」
千世子はおせんべを掌の中でこまっかくかきながら云った。
「オヤ、何故私は大きいまんまかじろうとしないんだろう、気取るつもりでこんな事をしたんだろうか……」