Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよじのおどろき
千代次の驚き
豊島 与志雄
Lesen Sie 千代次の驚き (ちよじのおどろき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.413 Zeichen · 19 Bildschirme
つけねらわれてるといっても、前のように云えば、毎晩のように聞えますが、実は五日に一度とか、七日に一度とかで、そう始終のことじゃありませんし、村尾さんと逢ってると、そんなことを気にするのが、ばからしくも思えるのでした。がそればかりでなく、もっと何か、話しにくいものがありました。お話してどう思われようと、あたしの方はかまいませんが、それが村尾さんの気持にどうひびくか、気遣われてなりませんでした。
それというのも、その頃、村尾さんの様子が少し変だったせいもあります。何だかこう冷たいよそよそしい態度をなすって、早く依田さんの世話になったらどうだとか、よい旦那を見つけたらどうだとか、僕がこれほど力を入れてやってるのにまだ売る気なのかなどと、それもただのやきもちとちがって、へんに冷く突き刺すように仰言るんです。あたしいい加減にあしらって、旦那なんか面倒くさくていやだの――それもあたしとしては本当のことだし、また、インチキな稼ぎ方なんかちっともしないと――それもあたしの気持からすれば本当のことだし、そんな風に答えますと、こんどは村尾さん、あたしの顔を見て、にこにこ笑っていらっしゃるんでしょう。