Japanische Klassiker mit Furigana
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Lesen Sie 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.668 Zeichen · 164 Bildschirme
ポッと雲の形があらわれたかと思うと、それが次第に大きく、長く、明らかに見えて南へ動くに随って消て行く。すると復た、第二の雲の形が同一の位置にあらわれる。そして同じように展開する。柔かな乳青の色の空に、すこし灰色の影を帯びた白い雲が遠く浮んだのは美しい。
星
月の上るは十二時頃であろうという暮方、青い光を帯びた星の姿を南の方の空に望んだ。東の空には赤い光の星が一つ掛った。天にはこの二つの星があるのみだった。山の上の星は君に見せたいと思うものの一つだ。
第一の花
「熱い寒いも彼岸まで」とは土地の人のよく言うことだが、彼岸という声を聞くと、ホッと溜息が出る。五ヵ月の余に渡る長い長い冬を漸く通り越したという気がする。その頃まで枯葉の落ちずにいる槲、堅い大きな蕾を持って雪の中で辛抱し通したような石楠木、一つとして過ぎ行く季節の記念でないものは無い。
私達が学校の教室の窓から見える桜の樹は、幹にも枝にも紅い艶を持って来た。家へ帰って庭を眺めると、土塀に映る林檎や柿の樹影は何時まで見ていても飽きないほど面白味がある。暖くなった気候のために化生した羽虫が早や軒端に群を成す。