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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちくまがわのスケッチ

千曲川のスケッチ

島崎 藤村

Lesen Sie 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.668 Zeichen · 164 Bildschirme

Aozora Bunko

俗に「小六月」とはその楽しさを言い顕した言葉だ。で、私はいくらかこの話を引戻して、もう一度十一月の上旬に立返って、そういう日あたりの中で農夫等が野に出て働いている方へ君の想像を誘おう。

小春の岡辺

風のすくない、雲の無い、温暖な日に屋外へ出て見ると、日光は眼眩しいほどギラギラ輝いて、静かに眺めることも出来ない位だが、それで居ながら日蔭へ寄れば矢張寒い――蔭は寒く、光はなつかしい――この暖かさと寒さとの混じ合ったのが、楽しい小春日和だ。

そういう日のある午後、私は小諸の町裏にある赤坂の田圃中へ出た。その辺は勾配のついた岡つづきで、田と田の境は例の石垣に成っている。私は枯々とした草土手に身を持たせ掛けて、眺め入った。

手廻しの好い農夫は既に収穫を終った頃だ。近いところの田には、高い土手のように稲を積み重ね、穂をこき落した藁はその辺に置き並べてあった。二人の丸髷に結った女が一人の農夫を相手にして立ち働いていた。男は雇われたものと見え、鳥打帽に青い筒袖という小作人らしい風体で、女の機嫌を取り取り籾の俵を造っていた。そのあたりの田の面には、この一家族の外に、野に出て働いているものも見えなかった。