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Japanische Klassiker mit Furigana

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せんりがんそのた

千里眼その他

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 千里眼その他 (せんりがんそのた) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.478 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

むしろ従来の考え方を完全に変えて、人間の身体の方から何かの作用線が出るとした方が説明がやさしいくらいである。念写に到っては写真乾板の銀粒子に作用を及ぼし、其処に感光の勢力を残すのであるから、この後者の考え方によるより仕方がない。

人間の身体から或る種の作用線が出るという考えは、古代からあるのであって、昔の英雄や豪傑は、殆ど皆その能力を持っていたと一般には考えられて来ている。現在でも、指先から霊力を放射して病気を治すという治療者が、白昼帝都の中で営業をなし、その信者はいわゆる有識階級の人の中にも沢山あるらしい。もっともこの話はちゃんとした学者の中にもあるので、千里眼事件よりは後のことであるが、生物体から出る放射線を発見したと言い、それを生物線と名付け、その研究論文だけでも世界中で何百と出ているのである。

この生物線の話は後に譲るとして、生物線などの知られていなかった当時のこととて、物理学者の間ではこの千里眼は初めから批判的に見られていた。もっと明らさまに言えば、疑いの眼をもって見られていた。その方が当然なのであって、到底考え得られないことなのである。