Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちどり

千鳥

鈴木 三重吉

Lesen Sie 千鳥 (ちどり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.951 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

月夜にはの、あれが自分の影に怖れてびくびくするけに痩せるんでがんすといの」

村の水天宮様の御威徳を説く時の顔つきである。

「ほほほ」

「おもしろいな、それは」

「そんなら食べなんすか」

「食べるよ」

「じゃ、よかった」と、またあちらへすたすたと、草履の踵へ短い影法師を引いて行く。

鳩は少しも人に怖れぬ。

自分は外へ出てみたくなる。藤さんは一人で座敷で縫物をしている。いっしょに浜の方へでも出てみぬかと誘うと、

「そうですね」と、にっこりしたが、何だか躊躇の色が見える。二人で行ったとて誰が咎めるものかと思う。

「だってあんまりですから」と、ややあって言う。

「何が」

「でもたった今これを始めたばかりですから」

「ついでに仕上げてしまいたいのですか」

「いいえ、そうじゃないのですけど、何だか小母さんにすまないから。――あたし行きたいんですけれど」

「では行けばいいじゃありませんか」

「そんなことはかまわないんですけどね、あたしこちらへまいってから、いつも鬱いでばかりいて、何一つろくにお手伝いしたこともないんでしょう」

自分は立膝をして、物尺を持って針山の針をこつこつ叩いて、順々に少しずつ引っこませていたが、ふと叩きすぎて、一本の針を頭も見えないようにしてしまう。