Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちどり

千鳥

鈴木 三重吉

Lesen Sie 千鳥 (ちどり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.951 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

「兄さんは炬燵へ当ってる方がうまく写るよ」

「だって姉さんが邪魔をしてるんだもの」と風呂敷の中へ頭を入れる。

「姉さんぐずぐずしてると背中が写ってしまいますよ」

「はいはい」と、藤さんは笑いながら自分の隣へ移る。

「兄さん、もっと真っ直ぐ」

「私の顔が見えるの?」

「見えるとも、そら笑ってらあ。やあい」

がたがたと箱を揺ぶる。やがてもったいらしく身構えをして、

「はい、写しますよ」とこちらを見詰める。

「あら、目を閉ってるものがあるものか。……さ、写りますよ。……ただ今。はいありがとう」と手に持った厚紙の蓋を鑵詰へ被せると、箱の中から板切れを出して、それを提げて、得意になって押入の前へ行く。

「章ちゃん、もう夜はそんな押入なぞへはいるもんじゃないよ」と小母さんが止めると、

「だってお母さん。写真を薬でよくするんじゃありませんか」と泣きそうな顔をする。

「それよりか写真屋さん。一昨日かしら写したあたしの写真はいつできるんですか」と藤さんが問う。小母さんも、「私ももう五六度写ったはずだがねえ。いつできるんだろう。まだ一枚もくれないのね」と突っ込む。それから小母さんは、向いの地方へ渡って章坊と写真を撮った話をする。