Japanische Klassiker mit Furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme
芸妓達も一時に振向いて目を合せた、が、それだけさ。多一が圧えた手の指から、たらたらと糸すじのように血の流れるのを見たばかり、どうにも手のつけようがなさそうな容子には弱ったね。おまけに知らない振をして、そのまま芝居を見る姉さんがあるじゃないか。
私は、ふいと立って、部屋へ帰った。
傍に居ちゃ、もうこっちが撮出されるまでも、横面一ツ打挫がなくッては、新橋へ帰られまい。が、私が取組合った、となると、随分舞台から飛んで来かねない友だちが一人居るんだからね。
頭痛がする、と楽屋へ横になったッきり、あとの事は知りません。道頓堀で、別に半鐘を打たなかったから、あれなり、ぐしゃぐしゃと消えたんだろう。
その婦だ、呆れたぐうたらだと思ったが、」
「もし、もし、」
と男衆が、初阪の袖を、ぐい、と引いた。
十四
歩行くともなく話しながらも、男の足は早かった。と見ると、二人から十四五間、真直に見渡す。――狭いが、群集の夥しい町筋を、斜めに奴を連れて帰る――二個、前後にすっと並んだ薄色の洋傘は、大輪の芙蓉の太陽を浴びて、冷たく輝くがごとくに見えた。
水打った地に、裳の綾の影も射す、色は四辺を払ったのである。