Japanische Klassiker mit Furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme
奴二人は姿を隠した。
二十五
屏風を隔てて、この紅の袴した媒人は、花やかに笑ったのである。
一人を褥の上に据えて、お珊がやがて、一人を、そのあとから閨へ送ると、前のが、屏風の片端から、烏帽子のなりで、するりと抜ける。
下髪であとを追って、手を取って、枕頭から送込むと、そこに据えたのが、すっと立って、裾から屏風を抜けて出る。トすぐに続いて、縋って抱くばかりにして、送込むと、おさえておいたのが、はらはら出る。
素袍、狩衣、唐衣、綾と錦の影を交えて、風ある状に、裾袂、追いつ追われつ、ひらひらと立舞う風情に閨を繞った。巫山の雲に桟懸れば、名もなき恋の淵あらむ。左、橘、右、桜、衣の模様の色香を浮かして、水は巴に渦を巻く。
「おほほほほ、」
呼吸も絶ゆげな、なえたような美津の背を、屏風の外で抱えた時、お珊は、その花やかな笑を聞かしたのである。
好き機会とや思いけん。
廊下に跫音、ばたばたと早く刻んで、羽織袴の、宝の市の世話人一人、真先に、すっすっすっと来る、当浪屋の女房さん、仲居まじりに、奴が続いて、迎いの人数。
口々に、
「御寮人様。」
「お珊様。」