Japanische Klassiker mit Furigana
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なんきょくき
南極記
久生 十蘭
Lesen Sie 南極記 (なんきょくき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.753 Zeichen · 35 Bildschirme
現在、要求されている探検は、刻苦して長く天然現象を観察することと、正確な測定をすることである。高速度の飛翔の間では、そうした研究は出来ないし、予備的な探検においても、疑わしい価値を発揮するに過ぎない。基地そのものは海上運輸の便不便で多大の制限を受けねばならず、探検のための着陸点を探検することが、仕事の大きな部分になるからである、云云」
地理学者の言い分はよくわかったが、探検というものには、気象の観測や地磁気の追及のほかにもう一つ仕事がある。一九一一年までは、誰がより深く八十度圏内に入るかということが、競争の目標になっていた。なんのために、こうまでして一度一分を争うのかという疑問も起さず、競争のほうが競争の目的よりも重大視されていたが、アムンゼンの南極到達をもって競争時代の幕が閉じ、南極に突入する南極家にとって、生命の意義は、未知の領域の征服ということにかかってきた。
南極での領土の征服は、むかしながらの素朴な方法で行なわれる。探検者が氷原の一点に立って、「ここは俺の土地だ」と宣言すれば、その地点の四方、視野に入るだけの土地が先占されたことになる。