Japanische Klassiker mit Furigana
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なんがをかくはなし
南画を描く話
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 南画を描く話 (なんがをかくはなし) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.968 Zeichen · 24 Bildschirme
それでいて皆の顔にそれぞれの特徴が出ていて、表情までも分るのであるから、これは大したことだと感心した。後から考えて見れば、専門の絵描きの人には一笑に附されるにちがいない分り切った常識であろうが、その時はひどく感心した。
こういう場合、原因としては、人間の眼が恐ろしく敏感であるからだと言っておけば、先ず無難である。しかしそれは全くの逃げ口上で、敏感といっても、何にどう敏感なのかが分らなくては余り意味がない。それで虫眼鏡を持ち出して、その写真の部分を拡大して調べて見ることにした。巧く行ったら、黒く出ている顔の輪郭とか、光の当っている所即ち顔立を示す白い斑点とかの形に、微小ながらちゃんとした差があることが、分るかもしれないというつもりであった。
ところが新聞のあの粗い網目では、拡大して見ると、点ばかり見えて、とても輪郭の差などが測れるわけのものでないことが直ぐ分った。もっともあくまで分析的に調べたら、勿論点の大小や濃淡、それに僅かなその配置の差などがあるにはちがいない。そしてそういう色々な要素の差の綜合効果が、顔立や表情の差となって見えるのである。
この議論は、結局顔が似るということの形態学まで行かなければ話が納らない。