Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
だが何より面白いのは、隣部屋から聞こえてくる、いろいろの香具師の口上の、その稽古の声であった。
「耳の垢取りましょう、耳の垢!」
「独楽は元来天竺の産、日本へ渡って幾千年、神代時代よりございます。さあさあご覧、独楽廻し!」
「これは万歳と申しまして、鶴は千年の寿を延べ、亀は万年を経るとかや、それに則った万歳楽、ご覧なされい、ご覧なされい」
「仰々神楽の始まりは……」
「これは都に名も高き、白拍子喜瀬河に候なり……」
「ヤンレ憐れは籠の鳥、昔ありけり片輪者……」
――などと云う声が聞こえてくる。
隣に香具師の稽古場があって、玄女の率いている乾児たちが、それの稽古をしているのらしい。
「それはそうと、ねえお前さん」
玄女は猪右衛門へ話しかけた。
「例の恐ろしい粉薬だが、どこからお前さん手に入れたのさ?」
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「あああいつか」とニヤニヤ笑い、猪右衛門は得意らしく話し出した。「南蛮寺すなわち唐寺だが、そこから俺ら盗み出したのさ」
「へえ、なるほど、唐寺からね」
「十日ばかり前のことだったよ。俺ら信者に化け込んで、南蛮寺へ入り込んだというものさ。礼拝なんかには用はない、そこで寺内のご見物だ、ズンズン奥の方へ入って行くと、一つへんてこの部屋があった。