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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

「帰れ帰れ、巷の者共、穢してはならぬよ、処女造庭境を! そこから一歩踏み込んだが最後、迷路八達岐路縦横、再び人里へは出られぬぞよ!」

続いてドッと笑う声が天狗倒しの風のように、物凄じく聞こえてきた。「おっ」と云ったは右近丸で、ピッタリ足を止めたが、声のした方へ眼をやった。

大森林が聳えている。月光もその中へは射し込まない。宏大な城の鉄壁のように、ただ黒々と聳えている。

気強とは云っても女である、民弥は思わず身顫いをしたが、「右近丸様!」と寄り添った。「妖怪などではございますまいか」「なんの!」と右近丸は一笑した。「妖怪ではござらぬ、人間でござる。思いあたることがございます! 不思議な巫女を頭とした、奇怪な庭師の群でござる。かつてこの場でそれ等の者と、邂逅ったことがございます。詳しいことはお後で申す。せっかくここ迄追い詰めて来て、猪右衛門と玄女を逃がしては、これ迄の苦心も無になります! 進む以外に法はない! いざ民弥殿手を取り合い!」

恐れぬ二人、右近丸と民弥は、サーッと森の方へ駈け上った。

「汝等来るか!」と物凄い声がふたたび森林から聞こえたが、すぐにバラバラバラと飛礫が雨のように降って来た。