Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
ところで肝心のその民弥であるが、この頃どうしていただろう。
恐ろしい人買の桐兵衛の家の、真暗な二階の一室に厳重に監禁されていた。
雨戸がビッシリと閉ざされている。出入口も厳重に閉ざされている。逃げ出すことは絶対に出来ない。その上両手は縛られている。開けようとしても開けることが出来ない。
彼女は格闘したのであった。しかし一人に大勢であった。先ず懐刀を奪い取られ、続いて足を攫われた。悲鳴を上げたが駄目であった。
縛られてこの部屋へ入れられたのである。
「ああどうしたらいいだろう?」
民弥はじっと考え込んだ。
人買共の話声が、階下から遠々しく聞こえてくる。
隣部屋から泣声がする。やはり民弥と同じように捕らえられた不幸な娘たちが、監禁されているのだろう。
「ああどうしたらいいだろう」
またも民弥は呟いた。
と、にわかに笑声が、階下の座敷から聞こえてきた。続いて人買の親方の桐兵衛の喋舌り声が聞こえてきた。
「ヨーこいつはいい所へ来た、遠国廻りのお仲間か。さあ上るがいい上るがいい。ちょうど上玉が一人ある。早速売り渡すことにしよう」
――どうやら鴨川から上陸した、遠国廻りの人買が、桐兵衛の家へ着いたらしい。