Japanische Klassiker mit Furigana
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なんぶのはなまがり
南部の鼻曲り
久生 十蘭
Lesen Sie 南部の鼻曲り (なんぶのはなまがり) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.683 Zeichen · 25 Bildschirme
いやなやつだと思っても仲よくするか喧嘩するか、どちらかの形式で友情を持続せずにはいられないのである。
二人がめったに逢わないのは、向うが逢うまいとしているから逢わないので、モオリーの態度はおれとても面白くなく思ったが、それはそれとして、いつもおれの心について離れないのは、モオリーのごとき絵のような She-boy が、なんのためにこんなアラスカのどんづまりへやって来なければならなかったかということであった。これはあとでわかったのだが、それにはそれだけの理由があったのである。
モオリーの父親はモオリーを愛するあまり、モオリーがいつでも日本へ帰れるように、モオリーのために日本の国籍を保留しておいたが、これがモオリーを悩ませる種になったのである。徴兵適齢に近くなると、日本を選ぶかアメリカを選ぶか、いよいよどちらかにきめなくてはならぬというむずかしいところへ追いこまれた。
当事者にとっては、それを麺麭にしようかマカロニにしようかというような簡単なことではないらしい。いちど迷いにつかれだすと容易に解決しかねるとみえるのである。それでモオリーは長い間悩んだすえ、その苦痛から逃れるために雪、つまりコカインをやりだした。