Japanische Klassiker mit Furigana
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たんじょうび
原民喜童話集
原 民喜
Lesen Sie 原民喜童話集 (たんじょうび) von 原 民喜 (はらたみき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.817 Zeichen · 11 Bildschirme
もぐらとコスモス
コスモスの花が咲き乱れていました。赤、白、深紅、白、赤、桃色……花は明るい光に揺らいで、にぎやかに歌でも歌っているようです。
暗い土の底で、もぐらの子供がもぐらのお母さんに今こんなことを話していました。
「僕、土の上へ出てみたいなあ、ちょっと出てみてはいけないかしら」
「駄目、私たちのからだは太陽の光を見たら一ぺんに駄目になってしまいます。私たちの眼は生れつき細く弱くできているのです」
「でも、この暗い土の底では、何にも面白いことなんかないもの。それなのに、ほら、このコスモスの白い細い根っこが、何かしきりに近頃たのしそうにしているのは、きっと何か上の方で、それはすばらしいことがあるのだろうと僕思うのだがなあ」
「ああ、あれですか、コスモスに花が咲いたのですよ。夜になるまでお待ちなさい。今夜は月夜です。夜になったら、お母さんも一寸上の方まで行ってみます。その時、ちょっと覗いてみたらいいでしょう」
もぐらの子供は、夜がくるのをたのしみに待っていました。
「お母さん、もう夜でしょう」
「まだ、お月さんが山の端に出たばかりです。あれがもっとこの庭の真上に見えてくるまでお待ちなさい」