Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうじんいっかのし

友人一家の死

松崎 天民

Lesen Sie 友人一家の死 (ゆうじんいっかのし) von 松崎 天民 (まつざきてんみん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.805 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

「何と云う不幸な一家であろう」

雨の翌日、子供達と共に、今井の死骸を火葬場に送って、永久の別れを告げた。僕の竹馬の友で、親友で、妻の媒介人で、何かにつけて兄侍していた今井は、こうしてただ一片の骨と化ってしまった…………。

K君――しかし悲劇は、以上で終ったのではない。この手紙を、今暫く書き続ける事を、恕してくれるなら、君は人生の生々しい哀話に、必らずや心を動かされずにはいられないと思う。

○

今井君の骨を抱いて、その忘れ形見達と共に、僕が美作山中の故郷へ帰ったのは、桜花に早い大正六年四月上旬の事であった。

母の死や父の死で、病気が重くなっていた長男のTは、「死ぬるのなら故郷で死にたい」と云って、僕達の一行よりも先に、東京を立って帰省した。僕と三人の娘達は、岡山駅で友人の石田に迎えられ、それから更に中国鉄道に乗換えて、福渡駅まで急いだ。

福渡からは旭川の流れに沿って、山の麓路を七里余、人力車に曳かれて進んだ。大正二年の夏、十五年振りで帰郷してから、足掛け五年の月日は過ぎていたが、故国の春の風物は、僕のために懐しい旧山河であった。村の入口では、多数の旧知己に迎えられて、僕達は故郷の人々の中に包まれた。