Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせいじ
双生児
江戸川 乱歩
Lesen Sie 双生児 (そうせいじ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.029 Zeichen · 24 Bildschirme
それは私の非常な手抜りには相違なかったのです。が、そんな手抜りをさせたのは誰でしょう。それこそ、私はあの兄の恐ろしい呪だと思うのです、彼奴は最初の瞬間からそれを知っていたのです。一つのほんの一寸した誤解に始まって、殺人罪の発覚という戦慄すべき結果を惹起すまで、彼奴はだまって見ていたのです。
それにしても、実に馬鹿馬鹿しい程あっけない手抜りでした。私が兄の指紋だと信じ切っていたのは、実は私自身の指紋だったのです。ただ、それがあの日記帳の頁に押されてあったのは、まともな指紋でなくて、一度墨のついた指を何かで拭いて、その後で押されたものだったのです。つまり、指紋の隆起と隆起との間に残っていた墨の跡だったのです。写真で云えばネガチヴの方が写っていたのです。
私は余りにも愚な自分の間違いを、どうにも真実と思うことが出来ませんでした。併しよく聞いて見ますと、私の間違いも決して無理ではなかったのです。検べの時に、予審判事が、問わず語りにこんなことを話されましたっけ。
何でも大正二年のことだそうですが、福岡で、当時収容中の俘虜の独逸将校の夫人が惨殺されたことがあって、その犯人と目ざす男を逮捕したところ、現場の指紋と犯人の指紋とが、似てはいるのですけれど、どうしても同一とは思われないので、警察でも随分てこずった挙句、ある