Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はんこう

反抗

豊島 与志雄

Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme

Aozora Bunko

「井上さん、」と保子は暫くして呼びかけた、「動物園か活動にでも行ってみませんか。」

「ええ、行ってもよござんす。どうせ何かで時間をつぶさなくちゃならないから。」

「じゃあ止すわ。」と保子は吐き出すようにして云った。

周平は顔を挙げた。見ると、保子は冷かに顔を引緊めて、何かを内心で苛立ってるらしかった。

「なぜです。」と彼は尋ねた。

「だって、人が折角誘うのに、どうせ何かで時間をつぶすのだからって挨拶があるものですか。時間つぶしの相手なんか真平よ。」

「じゃあ時間つぶしというのを取消しましょう。」

「取消したって同じよ。」

それでも二人は、隆吉を連れて、結局出かけることになった。保子はいやに冷かな態度をしていた。周平はそれを横目で窺いながら、隆吉の方をばかり相手にした。

彼には保子の気持が少しも分らなかった。彼を引止めたり外に誘い出したりする彼女と、何かに苛立って冷淡な素振りを見せる彼女とが、別々なものとなって彼の眼に映じた。もうどうでもいいのだと思っても、それがやはり気にかかった。

彼女は少し身を反らせ加減にして、先に立って歩いて行った。小さくきちっと背中高に帯を結んで、上から絽縮緬の羽織をしっくりとまとい、真直に伸した手を足の運動に合して振りながら、すたすた歩いて行く痩せ形の姿は、或る近づき難い冷たさを持っていた