Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おじ

叔父

豊島 与志雄

Lesen Sie 叔父 (おじ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.585 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

中野さんには、喜代子という美しい姪があった。中野さんの末の妹の嫁入った武井某の娘だった。

中野さんと喜代子の母とは、母親が違うせいもあったし、年齢も可なり違っていたし、余り仲がよくなかった。その上、中野さんは富有で羽振のいい方だったし、武井の方は零落した貧しい生活をしていたので、両家の交誼はごく疎遠なものだった。それでもやはり、中野さんにとっては、喜代子が美しい姪たるを妨げなかった。

喜代子は時々――といっても二ヶ月に一度くらい――中野さんの家にやって来た。

中野さんには大勢子供があった、男の子や女の子が。そして皆、中野さんに似て不綺麗だった。その中に交ると、喜代子は一段と美しく見えた。

中野さんは美しい喜代子を好きだった。生れて一度も剃刀をあてたことのないような、すっと一の字に引かれた眉、白い頬に浮出してる長い揉上の毛、真黒な房々とした髪――無雑作に取上げて後頭部でくるくると束ねた、両手に握りきれないほど多量な髪、どれもみな、処女眉、処女揉上、処女髪だった。そして、それにふさわしい眼付と顔立。彼女を見ると中野さんはいつも、赤い粗らな髯の下の大きな口付を他愛なく弛めて、独り嬉しそうににこにこしていた。