Japanische Klassiker mit Furigana
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おじ
叔父
豊島 与志雄
Lesen Sie 叔父 (おじ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.585 Zeichen · 24 Bildschirme
」
そこで中野さんは行詰ってしまった。
風のない静かな午後が、いやに蒸し暑かった。蝉の声まで聞えていた。
「今日はゆっくりしていっていいだろう。何か御馳走をしよう。」
「いいえ、またゆっくり頂きますわ。」と喜代子は云った。
それでも、二人はなかなか座を立とうとはしなかった。共通の話題は何にもないし、仕方なしに中野さんは、海のことを話しだした。地引網のこと、魚のこと、漁夫達のこと、子供達のこと……然し、話す方も聞く方も気乗りしない調子だった。
何だか変だな……と思って中野さんは不意に立上った。そして、女中達に云いつけて早々に食事の仕度をさした。
二人は別に辞退もしないで餉台に向った。
笹部は大きな手先で不器用に杯を受けた。親指の先を縁にかけ、四本の指で糸底を支えて、何杯もぐいぐいと飲んだ。いくら飲んでも平気らしかった。が中途でぴったり杯を伏せてしまった。
「もう御飯を頂きます。」
その御飯を彼は、よく使えないらしい箸先で慌しく口へ押しこんで、一寸形式だけ噛んですぐに呑み下した。
行儀よく食べてる喜代子と並べてみると、笹部の躾の悪そうな様子がひどく目立った。