Japanische Klassiker mit Furigana
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とりかえしものがたり
取返し物語
岡本 かの子
Lesen Sie 取返し物語 (とりかえしものがたり) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.882 Zeichen · 28 Bildschirme
法師一同『畏りました』
(此の時おくみは跣足で先に、蓮如上人は駕に乗り、取るものも取りあえぬ形で花道を駈けつけて来る)
おくみ(源右衛門に取りついて)『もうし、ととさん、こちの人はどうしやさんした』
(源右衛門、親鸞聖人の木像を背負いつつ、顔をそむけて、うつ向く。)
おくみ『黙っていなさるは心がかり。早う教えて下さりませ』
源右衛門『これ嫁女、源兵衛はな』
おくみ『源兵衛さんは?』
源右衛門『それ、そこじゃ』(顎にて袖の千切れに包まれし首を示し、涙をはらはらと落す。)
おくみ(袖の首を取上げて)『やっぱり覚悟の通りにならしゃんしたか。ととさんと一緒に旅立ちの様子がおかしいと、直ぐそのあとでかかさんを攻め詰って漸よう訊いた事の仔細。それから山科の御坊に駈けつけて、お上人さまにお訴え申し、お上人さまともども急いで駈けつけたが』(泣く)
蓮如(駕籠より降り)『時遅れしか、残念、残念』
源右衛門『嫁女、歎くまいぞ。そなたが抱いておるは、そりゃ源兵衛の抜け殻。魂は移って、これ、此処に在します』(顎にて背中の影像を示す)
おくみ(袖の首を抱えたまま、影像に取りついて)『身を捨てても、人を救うとは仏のお誓い。