Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ殆ど這うようにして近づいた女房が、ヘギの包みを仙右衛門の懐中にねじ込む)

女房 仙衛ムどん、先々で食べて下せえよ。これ白え米の飯だよう! 米の飯だぞよう!

弥造 よけいなことをするねえっ! (と女房の腕を青竹で叩き離す。女房ヒーッと叫んで転ぶように土手下へ去る――少しシーンとする)

仙右 (ガタガタする手で懐中を捜ってみて)……こ、米の飯……米の飯でがんすか……こ、米の……(見開いているが見えはしないらしい両眼で遠くを見て嬉しそうにニッコリする)おあ、り、がとうごぜえ……(気味が悪くなったのか弥造がチョイと手を離す)

仙太 兄さん、気をしっかりして下せえよ!

代役 慮外であろう! 起たせろ! 歩きませい! 向後、貴様達、このあたり立廻り相ならぬ。犯すにおいては重きとがめこれあると思いませい。それっ!

刑吏 叩き! (手先達と弥造が青竹を取直す)

仙太 兄さん! 兄さん! お願いでごぜます! お願いで……。

弥造 どけっ! (仙右衛門を叩くために振上げた竹で仙太の顔をガッと撲る。仙太がヒョロヒョロとなるところを刑吏と喜平が散々蹴倒し踏みにじる。はずみを食って仙太土手の傾斜をゴロゴロ転り落ちて来る――舞台前端へ)