Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
その前を廻って左手へ行き少し奥まって見える板塀。それに厳重なくぐり戸。板塀は二重になっていてやや高い奥(外側)の塀には竹の忍び返しがついている。その外が通りになっているらしい。室内に立てられた明るい蝋燭の光の中に対座している井上(前出)、長州の兵藤(前出)、水戸浪士吉村軍之進、それに少し下って縁側近く利根の甚伍左。
井上と兵藤がかなり前から激論していて、もういうべきことはいい尽した末、なおもいいつのろうとして口調も態度も殺気立っている。吉村はニヤニヤしながらそれを横から見ている。甚伍左は無言で時々腰を浮かしたりしてハラハラしている。
井上 ……いま更、いま更、子供をだますようなことを言われなっ! 水戸が如何に時世に不敏なりとは申せ、まった、拙者不学といえども、それくらいのことはとくに存じおる。去年貴藩において外国軍艦を砲撃されたことも、薩州の英艦撃退のことも知っておる! それは振りかかった火の粉を払ったまでの話。
兵藤 なにっ! 振りかかった火の粉を払ったまでの話だ? とそれを正気でいうのか、貴公?
井上 よしんば、それだけの志あってのこととしても、今日においては薩長会津三藩のみでなく拙藩を初め土州、因州その他大義に志を抱く藩は多数これあり! これらが小異を捨てて大同につき連合してことに当れば、とはすでに五年