Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
も六年もの前から小児でさえ考えなかった者は無いのだ! それをいま更尊公の口から、さかしら立てて聞かして貰うのは、余りと言えば白々し過ぎると言うのだ! それは、命旦夕に迫った病人、それも薬という薬を試みても甲斐のなかった重病人に、いま更になって飴をなめさせて治せと申すのと同様! 人を馬鹿に扱うのはよい加減にされっ!
兵藤 馬鹿に扱ったと? 拙者が尊公をか?
井上 そうではないか! 拙者をとは限らぬ、水戸全藩を……。
兵藤 (おっかぶせて)救えぬ! うん、これでは救えぬ。ひねくれよったのだ。以前からそうであった。それが、庚申桜田のこと以来特に甚だしくなった。薩藩から見捨てられるのも道理だ。
井上 ひねくれたとっ?
兵藤 そうだ! 他に何といいようがある?
井上 (ジリジリして)ウー。よし、それはよい、ひねくれたとして置いてもよい。然しながら、庚申のことは拙者等、父祖先輩諸氏の義慨に発したことだ! ことの是非善悪に非ず、それをとやかく批議されるにおいては拙者としては黙許出来がたいことはご承知であろう。どうだ立たれるか! (畳の上に置いた大刀を掴んでいる)
甚伍 井上さん、まあ、ま……。