Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
吉村 (ジリッと平正眼に構えながら)それでは、初めからその積りで……? 筑波の命を受けてか……?
井上 言うなっ! 勿論だ! お為派奸党のふところ刀などと、ことごとにわが筑波正義党へ向って小策を弄し、あまつさえ、薩長にまで手を伸す犬め、許す訳には行かんのだ。おおっ! (と、おめいて踏込んで行こうとする)
吉村 ようし、それなれば……(と、刀をスーッと上げて八相上段に構えなおす。が、其の天井が少し低いのを見て取って、片八相、斜上段になる。人物技量ともに井上とは少し段違いらしく、井上は押され気味である。双方無言、呼吸をはかっている。――間。タタッとくぐり戸から走り戻って来る甚伍左)
甚伍 誰もいねえ、変な奴を見たように思ったが……(言いながらヒョイと座敷の方を見てびっくりする)あ、何をなさるんだ、お二人! ま、待ってくだせえ! 引いたっ! (縁側へ飛上る)引いたっ! 話せばわかるんだ。短気なことを!
吉村 此奴、初めからその気でいたのだ。危い、退って見ておれっ!
井上 ウッ!(ツツと進む)甚伍、貴様の命も貰ったぞ!
甚伍 チッ、チッ、チッ! 人の気も知らねえ! しかし私を斬るというなら斬られようから吉村先生はいけねえっ! 水戸の藩論をまとめるクサビになっている人を、殺そうてえのかっ! 後で、後で、悔んでも追っつけめいぜ