Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
さあ、評判じゃ評判じゃ! いま出来たての三州屋は早耳瓦版、事の次第はみんなでている! 一枚が三文、二枚で五文だ、おまけに長州勢に取りつめられた京都のことまでみんなわかる! さあ、買ったり買ったり! オヤオヤ、誰も買わねえのかい? 呆れた貧的ぞろいだなあ。ふん、(幕のフチに手をかけ、眼をむいて声色)いずれを見ても貧乏育ち、菅秀才の……ハッ、ハックショイ、あったら口に風を引かしたわえ。アリャ、リャ、リャ、リャ、買った買った……。(叫びつつ、馬鈴を鳴らしながら幕尻に走って入る)
(その音が消えると、すぐに内と下座で鳴りだす常盤津の三味線。シンミリと。それが暫く続いて幕開く)
(幕)
8 植木村お妙の家の中
第四場に同じく植木村お妙の家の中。
夏の夕方の、差し込んでくる夕焼の光の中に黙っている四人――お蔦と仙太と今井(前出)と子供の滝三。
お蔦は板敷のフットライト寄りの敷居近く、つまり観客席に一番近く、観客の方を向いて片膝立てに坐って三味線の爪弾きしている。仙太郎はイロリの右側に坐って、ガツクリ首を垂れている。今井は右側の上り端に腰をかけ、いかにも敗走して行く兵らしく泥や汗や血に汚れきった小具足姿のまま、時々仙太郎の背中やお蔦の方をジロリジロリ睨むように見ながら、前に据えられた釜から椀に粥をよそっては菜も添えずにガツガツ