Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

……男に惚れたということは、男に惚れたということです。惚れたなんぞとゲスなこというようですが、女はこうと思った男を取逃がせば、その先はどうなるかわかりません。自分が初手にこうと思った正直な心持を大切にしなくてはなりません。女には生涯は一度しかありませんよ。ああの、こうのとそれをひねくったり、こじらせたりすれば、後で罰があたります。仙さんにしたって……(言いよどんで黙ってしまう)さあ出来ました。

お妙 ……(泣けてくる)……すみません。

(間)

お蔦 ……(つとめて笑おうとしながら)さあ、奥へ行きましょう。蒲団を敷いて来ますからね。……私は、明日あたり江戸へ立とうと思っています。

お妙 ……まあ、どうして?

お蔦 どうして? フフッ、(お妙の顎を掴んで頬ずりのようなことをしてからツイと奥の方へ歩き出しながら)ホ、ホ、御朱引き外も外すぎる、こんな田舎で芸者もできないじゃありませんか。

お妙 あのう、お蔦さん、よっぽど前からおたずねしようと思っていました、……芸者になればお金がたんと取れますかえ?

お蔦 お金? どうしてまたそんな?

お妙 ……私になれたら、なろうと存じます。