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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

人間、しただけのことがマットウに返って来るもんならば、生きてござればいま頃は藩知事さまだあ。それが、ロクな墓もねえ有様だ。そでねえか、嬢さま?

妙 (赤くなって)伯父さ、その嬢さまだけは、やめておくれ。

仙太 ……(独言のように)何のことでも、上に立ってワアワア言ってやる人間は当てにゃならねえものよ。多勢の中にゃ慾得離れてやる立派な人も一人や二人はあるかも知れねえが、そんな人でさえも頭ん中の理屈だけでことをやっているもんだから、ドダン場になれば、食うや食わずでやっている下々の人間のことあ忘れてしまうがオチだ。……昔から、下々の百姓町人、貧乏な人間は、うっちゃらかしてあった。御一新のときにも忘れられておった。いまでもそうだ。……百姓町人、下々の貧乏人が自分で考えてしだすことでなけりゃ、貧乏人の役には立つもんでねえて。

段六 (聞こえぬままに得意になって)ほだろうが? のう、仙太公の天狗党?

仙太 (苦笑して)……そいつは禁句だ、段六公。考えて見な、公方様の天下を倒して大臣参議になったのが、その昔は下士や軽輩の士分の者だ。天狗党の人達もそれよ。ただ運が悪いのと早過ぎたのとで殺された。