Japanische Klassiker mit Furigana
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ふるいはさみ
古いはさみ
小川 未明
Lesen Sie 古いはさみ (ふるいはさみ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.157 Zeichen · 5 Bildschirme
そんなときは、さすがにさびしかったのです。
「はやく、お家へはいらないと、知らぬ人につれられていってしまうがな。」と、星の光をながめて心細く思ったことがありました。
「また、はさみが見えませんが、どこへいったでしょう。」と、あくる朝、お母さんが、つめを切ろうとして、はさみが見つからないので、こうおっしゃいました。
「きのうまで、箱の中にはいっていたんですよ。また、太郎さんが使って、どこかへ置き忘れたのでしょう。」
姉さんは、方々おさがしになりました。そして、子供たちが遊ぶご門の石の上に置いてあったのを見つけなさいました。
「まあ、こんなとこに置いてあって、よく人に拾われなかったこと。」
そういって、お姉さんは、子供の時分からのはさみをなつかしそうに、ごらんなさいました。すると、過ぎ去った日の記憶がつぎつぎと目に浮かんできたのです。
「長くあるはさみね、だいじにしなければならないわ。」
お姉さんは、なくならないように、赤いひもをはさみにおつけになりました。
しかし、はさみは、もう年をとって、たいした役にはたちませんでした。
「切れない、はさみだなあ。」と、太郎さんが、かんしゃくを起こして畳の上へ投げ出しても、はさみは自分の切れないのをよく知っていましたから、がまんをして、あきらめていたのであります。