Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たいふうのこ

台風の子

小川 未明

Lesen Sie 台風の子 (たいふうのこ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.662 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

「口は知らんけれど、目があって、尾があるって、たしかに兄さんがいっていた。」

「そんなことうそさ、暖かい空気と冷たい空気の作用で台風ができるんだと、学校の先生がいっていたよ。」

「だって、不思議じゃないか。」

「それは、不思議だ。」

二人の子供は、このとき、いいあわしたように、空を仰いで、乱れて飛ぶ雲の影を見つめたのでした。

源吉が、台風を好きになったのは、このほかにわけがあります。お宮の鳥居のかたわらにあった、高い松の木にかかっている枯れ枝や、くもの巣がきれいに洗い去られて、すがすがしくなるからであり、人間の手のとどかない高いところのちりや、煤煙のよごれがみんな取られて、清らかにされるからであり、また、いつ見ても気持ちの悪くなる腐れかかったブリキの、老いぼれた看板が、一夜のうちに、どこへか飛んでしまい、そして、いつもごみばかりの川には、滔々として急流がうなり、なみなみと水があふれて、そのうえ、いろんなものが、後から後から流れてくるからでした。

いつであったか、源吉と龍夫の二人が、豪雨の後のこと、いまにもギイギイと鳴って、水勢のために押し流されそうな橋のたもとで、水面を見つめていると、いくつも赤いトマトが浮きつ沈みつしてきました。